「見え方の大切さ」を伝える

視能訓練士の延原です。
梅雨があけ、毎日暑い日が続きますが皆さま体調管理には十分お気をつけくださいね。

先日、同じ浅口市にある特別養護老人ホーム オペラハウス鴨方の職員研修で「見え方の大切さ」についてお話させていただく機会がありました。皆さん見え方については興味があったそうですが、今までこのような見え方の話を聞く機会はなかったようで、内容自体とても新鮮だったようです。

見える仕組み、見えにくいとはどういうことか、白内障・緑内障の話、見えにくさと介護領域の問題、現場で役立つ工夫という5つのテーマで盛りだくさんの内容でお話しさせていただきました。特に認知症と見え方の話には皆さんとても興味をもたれたようで、見え方がよくなれば生活(QOL・ADL)がぐっと良くなることを様々な報告と私自身が経験した実例で紹介させていただきました。

情報の8割は視覚からと言われています。実際に高齢者に関わる介護職の方が少しでも見え方に関心をもってもらうことがとても大切で、社会的・経済的意味があります。今後も地道に「見え方の大切さ」を他職種の方に伝えていきたいと思います。

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料理教室開催!

視能訓練士の延原です。
梅雨に入り、来週は雨の日が多いようです。眼科に来られる際は、足元に気を付けてくださいね。

6月22日に浅口市健康福祉センターの調理実習室にて、患者交流会の一環として料理教室を開催しました。教えてくださったのは、当院に通院されているMさん。Mさんは数年前まで板前としてお仕事をされていました。

メニューはちらし寿司と鱧のお吸い物です。Mさんのご指導の下、具材の切り方や味付けのポイントを教えてもらいながら、皆で楽しく料理をすることができました。流石板前さんです!板前歴40年、舌で覚えた味は忘れることはないそうで、絶妙な味付けを教えていただきました。
出来上がったお寿司はとても美味しく、地元寄島でとれたアナゴは特に絶品でした。身が柔らかく、ふっくらとしていました。
見えにくくなっても、保有視覚を上手に使って、手の感覚や長年の経験で料理をすることは可能です。工夫をすれば自分でできることはまだまだあります。

見えにくくなって、日常生活に不便を感じることがあれば、お気軽にご相談くださいね。

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日本ロービジョン学会

視能訓練士の延原です。

5月末に、岐阜県で開催された日本ロービジョン学会学術総会に参加してきました。私は、岐阜県に初めて行ったのですが案外近いです。岡山から新幹線と快速で約2時間。
名古屋から岐阜に向かう途中、電車から清州城の天守閣が見え、「ここが清須会議があったところ!?」と大河ドラマ好きの私は少しワクワクしました(笑)。残念ながら時間がなくて清州城の観光はできなかったのですが、またの機会に是非行ってみたいです。

さてさて今回の学会のテーマは「次世代のロービジョンケア」でした。本当に学び多き2日間でした。
ロービジョンケアというのは視覚的に障害があって、日常生活に何らかの支障をきたしている方への支援のことをいいます。

内容としては、次世代の補助具としてAI(人工知能)を利用した様々な最先端の研究がされていたり、視覚障害と災害対策についても様々な課題・取り組みがあることを知りました。また、発達障害児・重度心身障害児への視覚補助具の有用性などの報告もありました。
医師、看護師、歩行訓練士、ソーシャルワーカー、そして視能訓練士、それぞれが専門性を発揮して連携する大切さ、ロービジョンケアマインドをもった仲間を増やすこと、問題であるという認識をもつ大切さ等、本当に多くのことを考えさせられる機会となりました。

さて、田中眼科で、浅口という地域でどう連携していくか。大都市圏と違って、ロービジョンケアの社会資源が乏しい中で、高齢化率が高い中で私達にできることは何か? 私達がしなければいけないことは、まだまだたくさんありそうです。
今回学んだことを、スタッフで共有して臨床の場で活かしていきたいと思います。

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学校健診

視能訓練士の延原です。

当院の植え込みに咲いているツツジが満開を迎え、とても綺麗です。来院された時は、是非ご覧くださいね。

5月になると、学校健診後の視力の精密検査で来院されるお子さんが多くなります。予約もとりにくい状況でご迷惑をおかけしております。待ち時間は予約の方よりは長くなりますが、予約なしでお越しいただいても大丈夫です。

昨年12月の山陽新聞に、県内の小中学生の裸眼視力1.0未満の割合についての記事が掲載されていました。2016年度 学校保健統計調査(速報値)によると、裸眼視力1.0未満の小学生の割合は32.3%、中学生54.6%で、いずれも記録が残る1973年以降では最悪だったそうです。視力低下の要因には、遺伝的要因や環境的要因がありますが、確実に視力低下のお子さんが増えてきているようです。

確かに、我が子の参観日に行くと、私が小中学生だった頃(何十年も前ですが…)よりも、メガネをかけているお子さんが多いなという印象を受けます。

学校健診の視力の結果はA判定が1.0以上、B判定が0.7~0.9、C判定が0.3~0.6、D判定が0.2以下となります。どちらか一眼でもA判定以外であれば、眼科での精検の対象となり学校から用紙をもらいます。

用紙をもらわれたら、必ず眼科を受診してくださいね。メガネについてのご相談もお受けしますので、不安なことがあれば私達、視能訓練士にお尋ねください。

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日本在宅医学会

視能訓練士の延原です。

4月15日(土)、4月16日(日)に岡山コンベンションセンターで日本在宅医学会地域フォーラムがあり参加してきました。当日は約800人の方が参加され、大変盛況でした。医師、看護師、リハ職、介護職、ケアマネ、ソーシャルワーカー等様々な職種の方が参加せれていたようです。おそらく、視能訓練士の参加は私だけだと思いますが…。

本当に勉強になる講演ばかりで、良い刺激を受けました。在宅医療って、やっぱりやりがいがあるなというのが率直な感想です。在宅医療で眼科のことや見え方のことが語られることはまだないですが、大切な部分です。私達が行っている視覚障害者の訪問リハビリテーションでも患者さんの生き方に向き合った支援を行っています。同時に、患者さんの人生から私達も学ばせていただいています。

機会があれば、田中眼科での取り組みを情報発信していきたいと考えています。まずは、私達にできることを知ってもらい地域包括ケアシステムにおける眼科在宅医療、視覚障害者リハビリテーションの確立を頑張っていきたいです。

芯から支える仕事をしていきたいなと、決意を新たにした2日間でした!

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視覚障害者ピア交流会

視能訓練士の延原です。
鴨方の桜も少しずつ咲いてきました。
昨日、当院に通院されている視覚障害者の方々とお花見交流会を行いました。暑いぐらいお天気は良かったのですが桜はまだ三分咲き…。しかし、会が終わる頃にはどんどん桜も咲いてきました。
皆でたわいもない話をし、時には日常生活の工夫について意見交換をし、楽しくお弁当をいただきました。

見えにくさも人それぞれですが、見えにくい者同士でしか分かち合えない気持ちを共有する時間はとても大切だと思っています。この時間が、日々の活力になることを願っています。

田中眼科では、この交流会を定期的に開催していて、次回は視覚障害者の料理教室、音声で楽しむ映画など様々な企画を計画中です。

見えにくいのは自分一人ではないということを知ってもらい、まずは皆で集う場を提供していきたいと考えています。
次の交流会も楽しみです!

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コンタクトレンズ

視能訓練士の延原です。
日増しに暖かくなってきましたね。
最近は、花粉症で目のかゆみを訴えて来院される患者さんも多いです。
また、3月・4月はコンタクトレンズデビューの患者さんが多い時期です。

コンタクトレンズは、高度管理医療機器といって、人口呼吸器や心臓のペースメーカーと同じレベルの医療用具に指定されています。とても便利な道具ですが、使い方を誤るとトラブルを引き起こす可能性があります。そのため、必ず定期検査を受けながら正しく使用する必要があります。

当院で初めてコンタクトレンズを合わせる患者さんには、視力や屈折の検査、角膜の内皮細胞の検査を行い、目の表面の涙の状態もしっかりと確認します。検査結果を基に、どんなコンタクトレンズが適しているか、患者さんと相談しながらレンズの種類を決めていきます。
初めてのコンタクトレンズとなると、いろいろと不安もあるかもしれません。「うまくはめはずしができるか?」「ゴロゴロしないか?」「落とさないか?」など…。
私達はしっかりと説明し、不安がなくなるまで装脱練習も行いますので安心してくださいね。お試し使用もできますし、定額制で使用できるコンタクトレンズもあります。

コンタクトレンズは、何十年も使っていくことになります。“最初”がとても大切です。最初にどんな説明や指導を受けたかで、その後のトラブルも変わってきます。
私達は、快適なコンタクトレンズ生活が送れるよう、しっかりとお手伝いさせてもらいます!

※初めてのコンタクトレンズの患者さんは、午前は11時、午後は17時までの受付となります。
 全て終わるのに2時間ぐらいかかることもありますので、余裕をもってお越しください。

地域連携

視能訓練士の延原です。

先日、浅口介護支援専門員連絡協議会・浅口医師会合同研修会に参加してきました。
私は、視能訓練士にはめずらしく、介護支援専門員(ケアマネ―ジャー)の資格をもっていて岡山県介護支援専門員協会の浅口支部に所属しています。
これもレアです(^^♪。

研修内容はケアキャビネット「きびきび」グループの地域連携でした。
ケアキャビネットとは、他職種連携情報共有ツールのことで、医療・介護の関係者が、迅速に的確に患者さんの情報を共有するシステムです。
当院がある井笠地域では「むすびの和」というケアキャビネットが運用されています。
「むすびの和」というネーミング、とても素敵ですよね!

眼科に来られる患者さんも高齢の方が多く、眼疾患だけではなく他の疾患ももたれている方がほとんどです。
さらに、視覚障害者も高齢の方が多く、支援に際しては眼科だけの支援では小手先になってしまい生活全体を支えることはできません。眼科においても地域連携が必要なのです。

今まで、眼科が地域で連携することはあまりありませんでした。しかし、少しずつ眼科領域においても地域連携の必要性が言われてきています。
“目”ってどうしても後回しになってしまうのですが、情報の80%は“目”から入ってきます。
生活する上でも、リハビリをする上でも“目”からのインプットはとても大切です。

“目=見え方”の大切さを知ってもらえるように地域密着型の眼科専門クリニックとして地域連携ができるよう頑張っていきたいです!

道具を使えばまだ見える!

視能訓練士の延原です。

今日は、当院に展示してある拡大読書器についてご紹介したいと思います。

裸眼で文字が読みにくい時はメガネをかけますよね。

特に中高年になると老眼鏡が必要になる方が多くおられます。

もし、どんなメガネをかけても文字が読めない時はどうされますか?

そんな時、今回ご紹介する拡大読書器を使用すると文字が読めるようになることがあります。

拡大読書器は、カメラ部分で読み取った画像が、テレビ画面に拡大されて映し出されます。

手持ち式の拡大鏡以上に高倍率に拡大することができますので、視力がかなり低い方でも

文字を読むことができます。また、倍率や明るさ、コントラストの調節も手元のスイッチで簡単に

行えますし、カラー表示に加え、黒地に白色、白地に黒色、黒地に黄色などの表示の仕方も

簡単に変えることができます。

拡大読書器は実費で購入すると高額ですが、視覚障害の身体障害者手帳を持たれていると

日常生活用具として1割の自己負担で購入することができます。

先日も、この拡大読書器を使って何十年ぶりかに年賀状を読むことができたと喜ばれた
患者さんがおられました。私もとても嬉しくて、感動のあまり涙がこぼれそうでした。
普段、当たり前のように文字を読んでいますが、文字が読めるって本当に幸せなことです。
見えにくくなっても、道具を使用したり、手段を変えることで文字を読むことができます。
田中眼科では、見えにくい方への支援も積極的に行っています。
お困りの際は、どうぞご遠慮なくご相談ください。
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視能訓練士の仕事。

視能訓練士の延原です。

今日は大寒。一年で一番寒い時期ですね。今日は本当に寒いです。

インフルエンザも流行っているようなので皆さまどうぞ体調管理に気をつけてくださいね。

今回は視能訓練士の仕事についてご紹介したいと思います。

視能訓練士って聞かれたことありますか?

眼科でお医者さんでもなく、看護師さんでもなく、この人誰だろう?って思うのが

だいたい視能訓練士です。

視能訓練士は昭和46年に国家資格となった、視能検査や斜視・弱視の訓練、視覚障害者の

支援を行う専門職です。

視能検査とは、視力・屈折・視野・眼圧・眼位・眼球運動・両眼視機能・瞳孔・電気生理学

写真の撮影検査などで、本当に多くの検査があります。

私達が行うこれらの検査結果が適切な診断治療につながります。

国家資格となって40年以上になりますが、残念ながらまだまだ認知度が低いのが現状です。

浅口市で働く視能訓練士は田中眼科の2名だけです。(とてもレアです!)

見え方で不安なことがあれば、ご遠慮なくお聞きください。