日本ロービジョン学会

視能訓練士の延原です。

5月末に、岐阜県で開催された日本ロービジョン学会学術総会に参加してきました。私は、岐阜県に初めて行ったのですが案外近いです。岡山から新幹線と快速で約2時間。
名古屋から岐阜に向かう途中、電車から清州城の天守閣が見え、「ここが清須会議があったところ!?」と大河ドラマ好きの私は少しワクワクしました(笑)。残念ながら時間がなくて清州城の観光はできなかったのですが、またの機会に是非行ってみたいです。

さてさて今回の学会のテーマは「次世代のロービジョンケア」でした。本当に学び多き2日間でした。
ロービジョンケアというのは視覚的に障害があって、日常生活に何らかの支障をきたしている方への支援のことをいいます。

内容としては、次世代の補助具としてAI(人工知能)を利用した様々な最先端の研究がされていたり、視覚障害と災害対策についても様々な課題・取り組みがあることを知りました。また、発達障害児・重度心身障害児への視覚補助具の有用性などの報告もありました。
医師、看護師、歩行訓練士、ソーシャルワーカー、そして視能訓練士、それぞれが専門性を発揮して連携する大切さ、ロービジョンケアマインドをもった仲間を増やすこと、問題であるという認識をもつ大切さ等、本当に多くのことを考えさせられる機会となりました。

さて、田中眼科で、浅口という地域でどう連携していくか。大都市圏と違って、ロービジョンケアの社会資源が乏しい中で、高齢化率が高い中で私達にできることは何か? 私達がしなければいけないことは、まだまだたくさんありそうです。
今回学んだことを、スタッフで共有して臨床の場で活かしていきたいと思います。

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新年 明けましておめでとうございます。

新年 明けましておめでとうございます。

視能訓練士の延原です。

今年から、田中眼科スタッフブログを始めることになりました。

皆さまに田中眼科のことを知ってもらい、より良く見えるお手伝いができるような

情報発信をしていきたいと思います。

どうぞよろしくお願いします!

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新しい予約システムが始まりました!

視能訓練士の延原です。

5月7日より、新しい予約システムが始まりました。

昨年度から、患者さんの来院が集中して長時間お待たせすることが多々あり、大変ご迷惑をおかけしておりました。

院長、スタッフでその改善案を何度も話し合い、ようやく新しい予約システムを開始する運びとなりました。

新しい予約システムは、時間予約と順番予約に分かれています。

時間予約は、今までの予約と同じで、日にちと時間を指定して予約をおとりします。

順番予約は、当日の順番をとる予約です。時間予約の方が優先的になるのですが、今までと大きく違うところは、自宅や職場からインターネットや電話で順番をとることができます。順番の3番前までに眼科にお越しいただければよいので、眼科での待ち時間が大幅に短縮されます。

インターネットや電話で順番をとれるか不安という方は、もちろん直接眼科にお越しいただいてもいいですし、受付に電話していただいて事務員にご相談いただいても結構です。

眼科の受付に新しい予約システムのチラシも置いていますので、受診された際はどうぞお持ち帰りください。

ご不明な点がございましたら、ご遠慮なくスタッフにお声かけください。

料理教室開催!

視能訓練士の延原です。
梅雨に入り、来週は雨の日が多いようです。眼科に来られる際は、足元に気を付けてくださいね。

6月22日に浅口市健康福祉センターの調理実習室にて、患者交流会の一環として料理教室を開催しました。教えてくださったのは、当院に通院されているMさん。Mさんは数年前まで板前としてお仕事をされていました。

メニューはちらし寿司と鱧のお吸い物です。Mさんのご指導の下、具材の切り方や味付けのポイントを教えてもらいながら、皆で楽しく料理をすることができました。流石板前さんです!板前歴40年、舌で覚えた味は忘れることはないそうで、絶妙な味付けを教えていただきました。
出来上がったお寿司はとても美味しく、地元寄島でとれたアナゴは特に絶品でした。身が柔らかく、ふっくらとしていました。
見えにくくなっても、保有視覚を上手に使って、手の感覚や長年の経験で料理をすることは可能です。工夫をすれば自分でできることはまだまだあります。

見えにくくなって、日常生活に不便を感じることがあれば、お気軽にご相談くださいね。

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弱視視能訓練

視能訓練士の延原です。今日は、弱視視能訓練についてご紹介します。

「弱視」は、何らかの原因によって視力が十分に発育していない状態です。視力が正常に発育するためには、常に網膜にピントがあった像が映ることが必要ですが、生直後からあるいは乳児期に網膜に映る像をぼやかすような病気があると、視力が発育しなくなってしまいます。この状態が「弱視」です。原因となる病気としては、角膜や水晶体の混濁、遠視や乱視などの屈折異常、斜視が一般的です。

今回ご紹介するMちゃん(4歳)は、小児科からの紹介で当院を受診し、右眼の矯正視力0.2で「弱視」がみつかりました。昨年10月から、眼鏡を装用し、今年2月からは良い方の目を隠す(健眼遮蔽)アイパッチの治療を始めました。そして、視力の発育を更に促すために今年5月からは集中的に弱視眼を使う訓練を眼科で行いました。

弱視視能訓練の結果、8月には右眼の矯正視力が1.0になりました! 私達、視能訓練士もとても嬉しかったです。


弱視治療は、視覚の感受性期に行わなければいけません。その期間の目安はだいたい8歳の終わり頃と考えられています。8歳を超すと感受性が全くなくなるとは断言できませんが、適切な時期に適切な治療を行わないと、その子供の視力の発育は止まったまま大人になります。

治療のタイミングを逃さないよう、3歳児健診、就学前検診、学校健診はとても大切です。不安がある時には、必ず眼科に相談してください。

学校健診

視能訓練士の延原です。

当院の植え込みに咲いているツツジが満開を迎え、とても綺麗です。来院された時は、是非ご覧くださいね。

5月になると、学校健診後の視力の精密検査で来院されるお子さんが多くなります。予約もとりにくい状況でご迷惑をおかけしております。待ち時間は予約の方よりは長くなりますが、予約なしでお越しいただいても大丈夫です。

昨年12月の山陽新聞に、県内の小中学生の裸眼視力1.0未満の割合についての記事が掲載されていました。2016年度 学校保健統計調査(速報値)によると、裸眼視力1.0未満の小学生の割合は32.3%、中学生54.6%で、いずれも記録が残る1973年以降では最悪だったそうです。視力低下の要因には、遺伝的要因や環境的要因がありますが、確実に視力低下のお子さんが増えてきているようです。

確かに、我が子の参観日に行くと、私が小中学生だった頃(何十年も前ですが…)よりも、メガネをかけているお子さんが多いなという印象を受けます。

学校健診の視力の結果はA判定が1.0以上、B判定が0.7~0.9、C判定が0.3~0.6、D判定が0.2以下となります。どちらか一眼でもA判定以外であれば、眼科での精検の対象となり学校から用紙をもらいます。

用紙をもらわれたら、必ず眼科を受診してくださいね。メガネについてのご相談もお受けしますので、不安なことがあれば私達、視能訓練士にお尋ねください。

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地域連携

視能訓練士の延原です。

先日、浅口介護支援専門員連絡協議会・浅口医師会合同研修会に参加してきました。
私は、視能訓練士にはめずらしく、介護支援専門員(ケアマネ―ジャー)の資格をもっていて岡山県介護支援専門員協会の浅口支部に所属しています。
これもレアです(^^♪。

研修内容はケアキャビネット「きびきび」グループの地域連携でした。
ケアキャビネットとは、他職種連携情報共有ツールのことで、医療・介護の関係者が、迅速に的確に患者さんの情報を共有するシステムです。
当院がある井笠地域では「むすびの和」というケアキャビネットが運用されています。
「むすびの和」というネーミング、とても素敵ですよね!

眼科に来られる患者さんも高齢の方が多く、眼疾患だけではなく他の疾患ももたれている方がほとんどです。
さらに、視覚障害者も高齢の方が多く、支援に際しては眼科だけの支援では小手先になってしまい生活全体を支えることはできません。眼科においても地域連携が必要なのです。

今まで、眼科が地域で連携することはあまりありませんでした。しかし、少しずつ眼科領域においても地域連携の必要性が言われてきています。
“目”ってどうしても後回しになってしまうのですが、情報の80%は“目”から入ってきます。
生活する上でも、リハビリをする上でも“目”からのインプットはとても大切です。

“目=見え方”の大切さを知ってもらえるように地域密着型の眼科専門クリニックとして地域連携ができるよう頑張っていきたいです!

地域ケア会議

視能訓練士の延原です。先日、浅口市 鴨方圏域地域ケア会議に参加してきました。昨年は、コロナ流行のため中止となったので、今年が初参加です。

地域ケア会議は、高齢者個人に対する支援の充実と、それを支える社会基盤の整備とを同時に進めていく、地域包括ケアシステムの実現に向けた手法です。

浅口市は、地域ケア会議を9年継続して開催されているそうです。全国的にも継続できている市町村は少ないそうなので、浅口市はすばらしいです。視能訓練士が地域ケア会議に参加しているのは全国的にもまれで、地域に根差した視能訓練士を目指す私達にとってはとても大切な会議です。

会議には、様々職種、地域の方が参加されています。医師、歯科医、薬剤師、ケアマネージャー、消防士、警察官、郵便局員、銀行員、生活支援コーディネーター、民生委員、保健師、社会福祉士、商工会職員、手話サークルスタッフ、生活相談員、生活支援サポーター、老人クラブ会長、市民後見人など、本当にいろんな方が参加されています。今回は、「認知症になっても一人になっても、住み慣れた家で安心してくらせるよう、みんなで見守る地域にするために」というテーマでグループに分かれて情報交換をし、最後に各グループのまとめの発表がありました。とても有意義な会議で、私自身とても刺激を受けました。

これからも、地域に根差した視能訓練士になれるよう更に学びを重ねていきたいと思います。

制服が変わりました!

視能訓練士の延原です。

2月から看護師と視能訓練士の制服が変わりました。

白色の制服からガラッと変わってシックな色の制服に。

少しタイトなデザインなのですが、伸縮性のある素材でとても動きやすいんです!

私達視能訓練士は白衣からのイメチェンなので、とても新鮮な気持ちです。

       

 

令和5年度浅口市圏域地域ケア会議

視能訓練士の延原です。先日、令和5年度浅口市圏域地域ケア会議に参加してきました。

会に先立ち、岡山弁護士会 会長の竹内先生から「浅口市の権利擁護体制 ~地域で安心して暮らせる権利を支援するために~」と題して権利擁護についての講演がありました。次に、福嶋医院の福嶋先生から、在宅医療介護の現状と問題点を踏まえた上での診療報酬改定の動向、ACP等について拝聴することができました。

ケア会議では、“認知症になっても一人になっても、住み慣れた家で安心して暮らせるよう、みんなで見守る地域にするために”というテーマでグループワークや情報交換を行いました。私のグループでは、民生委員、ケアマネージャー、生活支援コーディネーター、地域包括支援センターの方達と話し合いを行いました。ご自身の介護の話、地域住民との関わり、支援が難しいケースなど様々な問題があることも分かりました。

会を通じて感じたことは、様々な職種の方がそれぞれの立場で包み込むような優しさで認知症の方を支えておられるということです。福嶋先生にスライドでお示しいただいた『時に癒し、しばしば和らげ、常に慰む』という医療者としての基本的心構えを改めて心に留める機会となりました。田中眼科でも、皆さんに寄り添える眼科医療を提供できたらなと思います。