視覚障害者ピア交流会

視能訓練士の延原です。
鴨方の桜も少しずつ咲いてきました。
昨日、当院に通院されている視覚障害者の方々とお花見交流会を行いました。暑いぐらいお天気は良かったのですが桜はまだ三分咲き…。しかし、会が終わる頃にはどんどん桜も咲いてきました。
皆でたわいもない話をし、時には日常生活の工夫について意見交換をし、楽しくお弁当をいただきました。

見えにくさも人それぞれですが、見えにくい者同士でしか分かち合えない気持ちを共有する時間はとても大切だと思っています。この時間が、日々の活力になることを願っています。

田中眼科では、この交流会を定期的に開催していて、次回は視覚障害者の料理教室、音声で楽しむ映画など様々な企画を計画中です。

見えにくいのは自分一人ではないということを知ってもらい、まずは皆で集う場を提供していきたいと考えています。
次の交流会も楽しみです!

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視能訓練士の仕事。

視能訓練士の延原です。

今日は大寒。一年で一番寒い時期ですね。今日は本当に寒いです。

インフルエンザも流行っているようなので皆さまどうぞ体調管理に気をつけてくださいね。

今回は視能訓練士の仕事についてご紹介したいと思います。

視能訓練士って聞かれたことありますか?

眼科でお医者さんでもなく、看護師さんでもなく、この人誰だろう?って思うのが

だいたい視能訓練士です。

視能訓練士は昭和46年に国家資格となった、視能検査や斜視・弱視の訓練、視覚障害者の

支援を行う専門職です。

視能検査とは、視力・屈折・視野・眼圧・眼位・眼球運動・両眼視機能・瞳孔・電気生理学

写真の撮影検査などで、本当に多くの検査があります。

私達が行うこれらの検査結果が適切な診断治療につながります。

国家資格となって40年以上になりますが、残念ながらまだまだ認知度が低いのが現状です。

浅口市で働く視能訓練士は田中眼科の2名だけです。(とてもレアです!)

見え方で不安なことがあれば、ご遠慮なくお聞きください。

 

第2回 地域包括ケアシステム学会

視能訓練士の延原です。

当院のシステムの不具合で、少し情報発信が遅くなったのですが、10月1日に第2回地域包括ケアシステム学会が岡山医師会館でありました。昨年に続き、2回目の参加となったのですが、今回は当院での視能訓練士による訪問支援の取り組みを事例報告しました。

今回、報告した事例は視覚障害が進行し、在宅での生活に不安を抱いている独居男性の訪問支援についての報告です。検査結果からその方の見え方を想像し、不安な気持ちに傾聴し、まずは私達視能訓練士が理解者になることから支援を始めました。

訪問して分かるその方の生活から、アセスメントを行い、目標設定を行った上で支援を行いました。この男性は、訪問支援を通じて前向きな気持ちの形成を図ることができ、就労への意欲もみられるようになりました。今後も継続した支援を行っていきたいと思います。

今回の発表が、視能訓練士って何なのか、視能訓練士は地域で何ができるのかを知ってもらう最初のきっかけとなればと思っています。地道な情報発信が今後の他職種連携の布石になればな~と期待しています。

知って得する 防災知識勉強会

視能訓練士の延原です。7月5日(金)に田中眼科にて防災知識の勉強会を行いました。視覚障害者の方やご家族、音訳ボタンティアはるか会のスタッフなど19名の方が参加されました。

今回の勉強会は、当院に通院されている視覚障害のSさんからの提案がきっかけでした。昨年10月、Sさんから電話がありました。「延原さん、TVで防災クッキングの特集をしてたよ。目が見えにくいと避難所での生活は難しいから自宅でできる防災クッキングを皆さんにお知らせしてはどうかしら」と。

昨年の西日本豪雨でも、真備町地区の犠牲者51人のうち42人が要支援者だったそうです。見えにくい方の避難はどうするか、自宅で過ごす場合はどうするか等、皆さんと一緒に考えなければと思い、ようやく勉強会が実現しました。

私からの情報提供は、「いつ逃げるか、いかに逃げるか、どこに逃げるか」というテーマでお話し、特に避難行動要支援者名簿登録制度については詳しく説明させていただきました。更に、岡山県眼科医会の大規模災害時の対応のこと、ビジョンバン(眼科医療支援車両)派遣のこと、眼科的に今できる準備のことについてもお伝えしました。

防災クッキングについては、高密度ポリエチレンの袋に材料を入れて茹でるといろいろな料理ができることを皆さんにお伝えしました。試食で準備した蒸しケーキもポリ袋にホットケーキミックスとお水を入れて茹でて出来上がりました。

金光図書館の片山さんからは、被災してしまった後に、自宅・避難所でどう過ごすかについて説明していただきました。日本ロービジョン学会のホームページから見えにくい方の防災パンフレットがダウンロードできますので、興味がある方はご覧ください。

お一人お一人の状況や環境は違うので、今回の勉強会の内容を基に、「自分の命は自分で守る」ことについて皆さんが考えるきっかけになればと思います。

知って得する 防災知識!

視能訓練士の延原です。7月5日(金)14時から、防災についての勉強会を開催します。昨年、岡山県であった豪雨災害を教訓に、見えにくい方の避難はどうするか、点眼薬や眼鏡はどうするかなど、皆さんと一緒に考えたいと思います。

見えにくい方の防災知識については、金光図書館の片山さんがお話ししてくださいます。また、防災クッキングで作る“蒸しケーキ”の試食もありますので、興味がある方は是非ご参加ください。

参加申し込みは、お電話で。☎0865-44-2261

眼科訪問診療

視能訓練士の延原です。当院の訪問診療が始まって8カ月が経ちました。ケアマネージャーさん、薬剤師さん、看護師さん達と連携しながら順調に訪問診療が行えています。

ご自宅に訪問しないと見えてこない患者さんの様子、穏やかな笑顔、ご家族の愛情など訪問診療の醍醐味をひしひしと感じています。ご自宅を訪問すると、眼科訪問診療はやっぱり必要だなと思います。

長年通院されている患者さんも、眼科に通院できなくなったらどうしようかと不安に思って相談される方もいます。当院が訪問診療ができることをお話しすると安心されます。人生100年時代、眼科に通院できなくなっても、安心して眼科診療が受けれるよう地域密着型の眼科診療を頑張っていきたいと思います。

無料送迎が始まりました!

視能訓練士の延原です。コロナ禍でなかなかブログの更新ができず、ようやく新規事業をご紹介できることとなりました。

当院に長年通院されている患者さんも、車の免許を返納されたり、ご家族の都合で予約時間に送迎ができなかったり、見えにくくなって通院が困難になる方が多くなりました。市内を巡回するふれあいバスもありますが、当院受診には利便性が悪いのが現状です。また、年金暮らしの中、往復1万円のタクシー代を払って通院されている方もおられます。

このように交通手段の問題で受診が困難になってきている方々を支援することができないか、この現状を改善すべく半年前から院長を中心に無料送迎事業の準備を行ってきました。コロナ禍ではありましたが、様々な準備が整い今月から無事に無料送迎事業を始めることができました。

無料送迎事業が始まって1週間。患者さんから「助かるわ~」と感謝の言葉を頂くことが多く、無料送迎事業の必要性をひしひしと感じます。

無料送迎事業は対象となる方とならない方がおられます。送迎ができる地域も限られておりますので、無料送迎をご希望される方は一度スタッフまでご相談ください。

送迎ドライバーの渡辺さんです!

点字用紙でつくったもの

視能訓練士の延原です。本日より、点字用紙でつくった封筒などの商品の販売を始めました。

この商品は、視覚障害の方が在籍されている、就労継続支援B型事業所 ワークランド虹で作られたものです。「点字用紙でつくったもの」は、岡山点字出版所で発行され、その役割を終えた点字の印刷物をほどいて作る再生プロダクトです。印刷物を回収し、製本をほどいて1枚の紙に戻し、任意のかたちに裁断。手で折りあげて糊をはり、封筒をはじめとする様々な「紙もの」を生みだしています。

本当にとても可愛くて素敵な商品ばかりです。眼科受付にて販売しています。

浅口で医療・介護について勉強する会

視能訓練士の延原です。10月10日(木)に浅口医師会主催の勉強会に参加してきました。今回は「認知症の人の意思決定支援とACP」という内容で鏡野町の芳野病院理事長の藤本宗平先生が講師でお話ししてくださいました。

高齢化に伴い、眼科においても認知症の方が多く受診されます。そんな中、視能訓練士としてどのように患者さんと関わり、どのように意思決定支援のお手伝いを行っていくべきか日常診療で悩んでいたので、今回の勉強会はとても学び多き時間となりました。

“ACP(アドバンス・ケア・プランニング)” 最近、いろいろな勉強会で耳にします。流行ってます! 厚労省は“人生会議”と呼んでいます。もしもの時のために前もって望む医療やケアについて話し合い、共有する取り組みのことをいいます。眼科としても適切な情報提供と説明をすることが大切です。

しかし、認知症の方への説明は日常診療でも本当に難しいです。藤本先生のお話しを聞いて、認知症だからと意思決定できないと決めつけず、特徴を踏まえたうえで本人の理解を促し、意思をくみ取る工夫を行っていきたいと思いました。

会ではグループワークもあり、他職種の方とディスカッションすることもでき、改めて患者さんの気持ちに寄り添う大切さを感じました。

いずれ、5人に1人は認知症の時代がきます。眼科医療においても認知症との関わりは避けては通れません。“寄り添う気持ち”を忘れずに頑張っていきたいと思います。

日本在宅医学会

視能訓練士の延原です。

4月15日(土)、4月16日(日)に岡山コンベンションセンターで日本在宅医学会地域フォーラムがあり参加してきました。当日は約800人の方が参加され、大変盛況でした。医師、看護師、リハ職、介護職、ケアマネ、ソーシャルワーカー等様々な職種の方が参加せれていたようです。おそらく、視能訓練士の参加は私だけだと思いますが…。

本当に勉強になる講演ばかりで、良い刺激を受けました。在宅医療って、やっぱりやりがいがあるなというのが率直な感想です。在宅医療で眼科のことや見え方のことが語られることはまだないですが、大切な部分です。私達が行っている視覚障害者の訪問リハビリテーションでも患者さんの生き方に向き合った支援を行っています。同時に、患者さんの人生から私達も学ばせていただいています。

機会があれば、田中眼科での取り組みを情報発信していきたいと考えています。まずは、私達にできることを知ってもらい地域包括ケアシステムにおける眼科在宅医療、視覚障害者リハビリテーションの確立を頑張っていきたいです。

芯から支える仕事をしていきたいなと、決意を新たにした2日間でした!

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