高齢者の見え方の話

視能訓練士の延原です。先日、浅口で医療・介護について勉強する会で、高齢者の見え方の話をさせていただく機会がありました。

第一部は、「どれだけ知ってますか?高齢者の目の病気」と題して、院長が白内障、緑内障、加齢性黄斑変性症について講演しました。第二部は、私が「高齢社会における見え方の大切さ ~アイフレイル対策~ 」と題して、最近話題になっている疫学調査結果を踏まえた、現場で活かせるアイフレイル対策の提案について講演しました。

「アイフレイル」皆さんご存じですか? アイフレイルとは、加齢による目の機能低下やそのリスクが高い状態のことです。アイフレイルは、自立機能低下や日常生活制限を招くだけでなく、健康寿命を短縮させます。見えにくさや不快感を“歳のせい”にせず、眼科を受診してみましょう。

電子カルテ

視能訓練士の延原です。当院も電子カルテを導入して数年が経ちました。電子カルテはとても便利な反面、動作に不具合があると診療が完全にストップしてしまいます。こんな大事なシステムを日々陰ながら支えてくださっているのが、メーカーのSEの方々です。

眼科は、他の科の診療と違い眼科内で行う検査がとても多いです。多くの機器と電子カルテを結びつけ、電子カルテ上に検査結果を表示し、診察の結果を入力するようになります。よりスムーズに診療が行えるように、私達は細々とした改善の要望を度々お願いしています。時には難しい要望もあるようで、時間がかかってもSEの方々はシステムの更新やバージョンアップをしてくださいます。

いつも、“すごい仕事だなあ”と感じています。電子カルテ導入当初からお世話になっているシステム開発の方、SEの方、リモートで作業してくださるスタッフの方、皆さんに支えられて診療がスムーズに行えています。これもチーム医療の一つの形だなと思っています。感謝!

電子カルテ導入当初からお世話になっているシステム開発の南島さんとSEの浅沼さんです!

院内勉強会。

視能訓練士の延原です。

今回は当院の勉強会の一つをご紹介したいと思います。

テーマは視覚障害の方の介助についてです。

見えにくさにもいろいろあります。全体がかすむ方、見たい中心が見えない方、視野全体が狭くなった方…。

見えにくさに応じた適切な介助ができるように、見えにくさの体験、視野検査の結果の読み方をスタッフ全員で再確認しました。

実際に見えにくさを体験するために、百円ショップで購入した花粉症メガネを加工して装用しました。

視能訓練士という仕事柄、加工したメガネで視機能検査を実施し、正確に見えにくさを再現しました。

後輩視能訓練士の楢崎さんと一緒にメガネを加工したのですが、なかなかの出来栄えに二人とも大満足。

添付した写真は、加工したメガネで見えにくさを体験している様子です!

見えにくさを体験した上で、スタッフみんなで統一した介助の方法を習得しました。

今回の勉強会を通じて、患者さんの見え方に寄り添い、視覚障害の方も安全に、安心して受診できるよう、スタッフみんなで気持ちを新たにしました。

 

防災ベスト・防災リュック

視能訓練士の延原です。4月1日から、浅口市では防災ベストと防災リュックが日常生活用具給付事業の対象になりました。日常生活用具等の給付は、障害のある人に日常生活の便宜を図り、その福祉の増進に資することを目的としています。県内はもとより、全国的にみても防災ベストと防災リュックが日常生活用具の給付対象になっているところは限られており、とても先駆的な取り組みです。

当院で定期的に行っているピア交流会で、浅口市の社会福祉課の課長さんが視覚障害者の皆さんお一人お一人にヒアリングをしてくださったのも今回の給付事業の一つのきっかけになったそうです。

西日本豪雨災害の時、真備地区の犠牲者51名のうち42人が要支援者だったそうです。また、避難所では大勢の人でごった返すので防災ベストの着用が推奨されています。視覚障害は見た目には分からないので、被災した際は周囲の人に見えにくいことに気付いてもらう必要があります。

当院に通院されている視覚障害の方も既に数名の方が防災ベストと防災リュックを申請されています。 西日本豪雨災害からもうすぐ3年、東日本大震災から10年、今一度防災について考える機会にもなりました。皆さんもこの先駆的な取り組みをご周知ください!

道具を使えばまだ見える!

視能訓練士の延原です。

今日は、当院に展示してある拡大読書器についてご紹介したいと思います。

裸眼で文字が読みにくい時はメガネをかけますよね。

特に中高年になると老眼鏡が必要になる方が多くおられます。

もし、どんなメガネをかけても文字が読めない時はどうされますか?

そんな時、今回ご紹介する拡大読書器を使用すると文字が読めるようになることがあります。

拡大読書器は、カメラ部分で読み取った画像が、テレビ画面に拡大されて映し出されます。

手持ち式の拡大鏡以上に高倍率に拡大することができますので、視力がかなり低い方でも

文字を読むことができます。また、倍率や明るさ、コントラストの調節も手元のスイッチで簡単に

行えますし、カラー表示に加え、黒地に白色、白地に黒色、黒地に黄色などの表示の仕方も

簡単に変えることができます。

拡大読書器は実費で購入すると高額ですが、視覚障害の身体障害者手帳を持たれていると

日常生活用具として1割の自己負担で購入することができます。

先日も、この拡大読書器を使って何十年ぶりかに年賀状を読むことができたと喜ばれた
患者さんがおられました。私もとても嬉しくて、感動のあまり涙がこぼれそうでした。
普段、当たり前のように文字を読んでいますが、文字が読めるって本当に幸せなことです。
見えにくくなっても、道具を使用したり、手段を変えることで文字を読むことができます。
田中眼科では、見えにくい方への支援も積極的に行っています。
お困りの際は、どうぞご遠慮なくご相談ください。
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訪問診療を開始しました!

視能訓練士の延原です。3月29日から、田中眼科の訪問診療が始まりました!私個人としては、10年前からの目標だったので、この日を迎えられたことをとても嬉しく思います。院長をはじめ、看護師、事務員も含めて、スタッフ皆が眼科訪問診療の必要性を感じ、想いを一つにしてスタートできたこともすばらしいことだと思います。

“眼科の訪問診療”って何ができるの? と他職種の方にはよく聞かれます。今は、ポータブルの検査機器もあり、ご自宅や施設にいながら視力検査や眼圧検査、眼底検査、前眼部検査を行うことができます。必要な方には、眼鏡処方も可能です。もちろん、眼科でしか行えない検査もありますが、眼科の基本的な診療はご自宅や施設でも行うことができるのです。

今回、訪問させて頂いた患者さんも、診察後に目薬を追加処方したことで目が開くようになったり、在宅酸素を使用されていてもベットサイドの診療で身体に負担なく検査ができたりと、ご家族の方も大変喜ばれていました。また、ご家族には「見えん、見えん」と言われている患者さんも視力を測定するとよく見えていることが分かり、眼鏡を合わせ直しするとまたテレビを見ることができそうでした。

田中眼科の訪問診療は始まったばかりです。見え方から生活を支えるために、もっと効率よく、質の高い診療になるよう工夫をし、他職種の方とも連携できる訪問診療を目指していきたいと思います。浅口から眼科訪問診療のinnovationをおこしていきます!

訪問診療の見学に来られました

視能訓練士の延原です。先日、私の恩師である視能訓練士の深井小久子先生が当院の訪問診療の見学に来られました。

高齢社会になり、私達視能訓練士の仕事もパラダイムシフトしていかなければなりません。当院での取り組みを深井先生も応援してくださっていて、私達もとても励みになりました。個人眼科が果たす役割りが大きくなってきたこと、私達視能訓練士も地域で活躍していかなければならないことを改めてご教授いただきました。

私達を取り巻く状況の変化にどのように対応していくか、視能訓練士の専門性を高めつつ地域の皆さんの目の健康の向上のお役にたてればと思っています。

訪問診療の勉強に行ってきました!

視能訓練士の延原です。11月22日に総社市のあさのクリニックに訪問診療の勉強に行ってきました。私の他に看護師長の笠原さん、事務の山本さんも一緒に。

訪問診療の勉強に行ったのは、田中眼科においても訪問診療の必要性を感じているからです。浅口市も高齢化率が35%を超え、地域によっては50%を超えるところもあります。当院に長年通院されている患者さんも高齢になり、他の疾患等で通院が困難になっている方がいます。高齢になっても、平等に適切な眼科医療が受けれるようにという院長の想いを、私達スタッフも実践していく責務をひしひしと感じています。

あさのクリニックでは、実際の訪問診療の見学をさせていただきました。一番印象に残ったことは、患者さんの穏やかな笑顔です。本当に良いお顔をされているんです!浅野先生との信頼関係があってこそだと思いますが、スタッフ皆さんのチームプレイも抜群です。効率よくテキパキと診療をされていて、患者さんと接する時間をとても大切にされています。在宅でこんな医療が受けれることに感動しました。

また、診療報酬などの事務的なことや、浅野先生の熱い想いやビジョンをお聞きすることもでき、本当に充実した時間でした。ただただ、感謝の気持ちでいっぱいです。

今回学ばせて頂いた事を、田中眼科の訪問診療に必ず活かしていきたいと思います。

 

あさのクリニック

https://asanoclinic.com/

 

視覚障害者用補装具適合判定医師研修会

院長の田中です。
7月27日~29日の3日間、視覚障害者用補装具判定医師研修会に参加してきました。
国立障害者リハビリテーション学院(埼玉県所沢市)という施設で行われ、全国から50名以上の医師が参加いたしました。この研修会を修了すると視覚障害者用補装具の判定資格が得られるわけですが、今回研修会に参加した一番の目的は、これから田中眼科医院でロービジョンケアを行っていくにあたって、ロービジョンケアについての知識を深めるためでした。ロービジョンケアとは何らかの理由で視力を失った方に対する医療的福祉的なアプローチのことです。研修ではアイマスクを着用しての歩行シミュレーションや、模擬症例で実際に補装具の選定を行ったりと実践的な内容も組み込まれており、なかなか充実した内容となっていました。ロービジョンケアという概念は一般の眼科医ですらまだまだ周知されておらず、今後もっと多くの眼科医が取り組んでいかないといけない分野だと思います。田中眼科医院でのロービジョンケアはまだスタートしたばかりですが、これからもっと当院のスタッフとともにその質を高めていくつもりです。
ちなみに今回は所沢駅前の ”ザ・ベッド&スパ所沢” といういわゆるカプセルホテルに宿泊しましたが、3日間で7000円程度とかなりリーズナブルで、かつ大好きなサウナを満喫できて最高でした。カプセルホテルも初体験でしたが、病みつきになりそうです。

 

<国立障害者リハビリテーションセンター待合>

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<ロービジョン外来>

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<ザ・ベッド&スパ所沢>

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視覚障害者ピア交流会(2018年お花見!)

視能訓練士の延原です。

いつの間にか春が終わって、一気に夏のような暑い日が続いていますね。

さて、昨年に続き、今年も田中眼科に通院されている視覚障害の患者さんのお花見ピア交流会を開催しました。

しかし、予定していた4月6日はあいにくのお天気で、公園でのお花見は中止となり眼科での食事会に変更となりました。

眼科スタッフ、用具担当の眼鏡店スタッフも参加して、皆で話に花を咲かせて楽しい食事会でした。

今回は、参加者の方が遮光眼鏡という眩しさをとってくれるメガネの良さを話され、他の方にもよい情報提供ができる場面があったり、見え方の変化を話されて眼科受診の予約、治療に結びついた方がおられたり、とても意味のある会となりました。

最後には、「また、元気にお会いしましょう」と、長年当院に通院されている女性が挨拶をされ、次の会での再会を約束して終わりました。

同じ地域で過ごされる見えにくい方が集い、何気ない日々の日常や地元の話などを通じて、「見えにくいのは自分一人ではない」ということを知ってもらい、地域で元気に頑張っていこうという気持ちが芽生える会を今年度も続けていけたらなと思います。

来年は、満開の桜の下でお花見をしたいです!