弱視視能訓練

視能訓練士の延原です。今日は、弱視視能訓練についてご紹介します。

「弱視」は、何らかの原因によって視力が十分に発育していない状態です。視力が正常に発育するためには、常に網膜にピントがあった像が映ることが必要ですが、生直後からあるいは乳児期に網膜に映る像をぼやかすような病気があると、視力が発育しなくなってしまいます。この状態が「弱視」です。原因となる病気としては、角膜や水晶体の混濁、遠視や乱視などの屈折異常、斜視が一般的です。

今回ご紹介するMちゃん(4歳)は、小児科からの紹介で当院を受診し、右眼の矯正視力0.2で「弱視」がみつかりました。昨年10月から、眼鏡を装用し、今年2月からは良い方の目を隠す(健眼遮蔽)アイパッチの治療を始めました。そして、視力の発育を更に促すために今年5月からは集中的に弱視眼を使う訓練を眼科で行いました。

弱視視能訓練の結果、8月には右眼の矯正視力が1.0になりました! 私達、視能訓練士もとても嬉しかったです。


弱視治療は、視覚の感受性期に行わなければいけません。その期間の目安はだいたい8歳の終わり頃と考えられています。8歳を超すと感受性が全くなくなるとは断言できませんが、適切な時期に適切な治療を行わないと、その子供の視力の発育は止まったまま大人になります。

治療のタイミングを逃さないよう、3歳児健診、就学前検診、学校健診はとても大切です。不安がある時には、必ず眼科に相談してください。

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