当院スタッフのブログです。
スタッフブログ
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高齢者の見え方の話
視能訓練士の延原です。先日、浅口で医療・介護について勉強する会で、高齢者の見え方の話をさせていただく機会がありました。
第一部は、「どれだけ知ってますか?高齢者の目の病気」と題して、院長が白内障、緑内障、加齢性黄斑変性症について講演しました。第二部は、私が「高齢社会における見え方の大切さ ~アイフレイル対策~ 」と題して、最近話題になっている疫学調査結果を踏まえた、現場で活かせるアイフレイル対策の提案について講演しました。
「アイフレイル」皆さんご存じですか? アイフレイルとは、加齢による目の機能低下やそのリスクが高い状態のことです。アイフレイルは、自立機能低下や日常生活制限を招くだけでなく、健康寿命を短縮させます。見えにくさや不快感を“歳のせい”にせず、眼科を受診してみましょう。
令和4年度の3歳児健診がはじまりました!
視能訓練士の延原です。
先日から令和4年度の3歳児健診が始まりました。今年度は田中眼科の視能訓練士が浅口市、里庄町、矢掛町の3歳児健診の視覚検査を担当します。浅口市と里庄町では、今年度から受診者全員に屈折検査を実施します。屈折検査というのは、近視・遠視・乱視の度数を計測する検査です。今までは、お家での検査ができなかったお子さんや希望するお子さんのみに実施していました。しかし、全員に屈折検査を実施することで今まで見逃されていた多くの弱視が発見できることになりました。
昨年から、全員にスムーズに屈折検査を実施するために、保健師さん達と話し合いを重ね準備をしてきました。当日はとてもスムーズに屈折検査を実施することができ、3名のお子さんの遠視や乱視を検出することができ医療機関に紹介することができました。
昨年7月に日本眼科医会、日本視能訓練士協会の3歳児健診における視覚検査マニュアルが改定されました。医療機器製造技術の発達でハンディータイプの屈折検査機器が生産され、弱視の主な原因となる屈折異常や斜視のスクリーニングが幼児への負担なく短時間で簡便に実施できるようになりました。そのため、3歳児健診における屈折検査の導入は不可欠です。
しかし、注意すべきは屈折検査機器では、視力そのものを評価することができない点です。屈折検査のみでは他の原因による視覚異常の検出ができません。視覚異常を検出する最も重要な検査は視力検査で、屈折検査導入により視力検査を廃止することは考えてはいけません。
幼児の視覚検査は、限られた時間内でより正確に、かつ飽きさせずに行うことが必要とされ、小児の検査に精通してる視能訓練士が積極的に参加する必要があります。しかしながら視能訓練士が健診に関わっている自治体は一部に限られているのが現状です。岡山県も私達が参加している3市町村以外に視能訓練士が参加しているのは2市町村だけです。
人生100年時代。より良い視機能を保っていくためにも、視覚の発達を阻害する因子を早い段階で見つけることは私達視能訓練士の使命の一つです。多くの視能訓練士が視機能管理の専門職として、その知識や検査技術を母子保健事業で活かし貢献することができればいいなと思います。
low vision交流会
視能訓練士の延原です。11月28日(日)にレティッサとオーカムマイアイ2の体験会と第2回ブラインドメイク説明会を開催しました。
レティッサとは、超小型プロジェクターで網膜に直接映像を投影する器械です。視力やピントに依存せず映像を視認することが可能です。株式会社シード 岡山営業所の河岡氏から簡単な説明をしていただき、実際に参加者の皆さんと体験しました。お一人お一人の視機能にもよりますが、比較的視野が広い方でデジタルデバイスの使用になれておられる方は、映像に臨場感があり好評のようでした。
オーカムマイアイ2は、小型カメラがとらえた文章を耳元のスピーカーから音声で聞くことができる画期的なAI視覚支援デバイスです。知りたいものを指さしたり、簡単な手のジェスチャーを認識してくれます。小型カメラは百円ライターぐらいの大きさでお使いのメガネフレームにも取り付け可能です。この製品は、本当にすごくて、縦書きも横書きの文字もしっかりと読み上げてくれます。読みたいものを提示する位置は練習が必要のようですが、こちらも大変好評でした。ただ、高齢者には読み上げスピードが速く感じられたり、抑揚がないのが聞き取りにくいという意見が聞かれました。また、読み上げる声が女性の声の方が良いとの意見もありました。
ブラインドメイクの説明では、冬のお肌の乾燥についてご指導していただきました。女性だけでなく、男性も髭剃り後などのスキンケアの大切さをお伝えいただきました。
コロナ禍ですが、開催時期や感染対策に留意しながら、皆さんと新しい製品を体験したり、お肌のお手入れのお話しを聞く機会をつくることができました。これからも、地域密着型の眼科として、皆さんがより良く、明るい気持ちで生活できるようなお手伝いができたらなと思います。
電子カルテ
視能訓練士の延原です。当院も電子カルテを導入して数年が経ちました。電子カルテはとても便利な反面、動作に不具合があると診療が完全にストップしてしまいます。こんな大事なシステムを日々陰ながら支えてくださっているのが、メーカーのSEの方々です。
眼科は、他の科の診療と違い眼科内で行う検査がとても多いです。多くの機器と電子カルテを結びつけ、電子カルテ上に検査結果を表示し、診察の結果を入力するようになります。よりスムーズに診療が行えるように、私達は細々とした改善の要望を度々お願いしています。時には難しい要望もあるようで、時間がかかってもSEの方々はシステムの更新やバージョンアップをしてくださいます。
いつも、“すごい仕事だなあ”と感じています。電子カルテ導入当初からお世話になっているシステム開発の方、SEの方、リモートで作業してくださるスタッフの方、皆さんに支えられて診療がスムーズに行えています。これもチーム医療の一つの形だなと思っています。感謝!
3歳児健診で屈折検査を!
視能訓練士の延原です。10月9日の山陽新聞に3歳児健診での屈折検査の導入促進の記事が掲載されていました。
人の視機能は3歳頃までに急速に発達して6~8歳頃に完成し、生涯の視力がきまります。3歳児健診は、視力の発達の遅れ(弱視)や眼疾患を早期に発見して治療につなげるための重要な機会となります。
3歳児健診の視覚検査は一次検査として家庭での視力検査と目に関するアンケートが行われます。しかし、家庭での検査は、子どもの集中力が続かなかったり、視力検査の理解が難しかったり、覗き見をしていたりすることもあります。正確に検査できていなくても“家庭で見えていた”となると、3歳児健診での二次健診は行われず、弱視の発見が遅れることになります。
そこで、これまでのやり方ではどうしても弱視を見落とす割合が高いので、日本眼科医会が今年7月に公表した「3歳児健診における視覚検査マニュアル」では、子ども全員に屈折検査を受けてもらい、次いで問診票の確認、視力検査結果の確認などを経た上での二次健診が紹介されています。
私達も、3歳児健診で屈折検査は既に導入していたのですが、子ども全員には行えていませんでした。「弱視見逃しゼロ」を目指して、来年度予定している近隣3市町村の3歳児健診では子ども全員に屈折検査が実施できるよう調整をすすめています。
弱視の子どもは50人に1人。3歳児健診で発見すれば、早期治療で改善します。お子さんの見え方で気になることがあれば、お気軽に田中眼科にご相談ください。
“STOP! 弱視見逃し” URL:https://youtu.be/ju-0ZrskOjQ