スタッフブログ

当院スタッフのブログです。

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そば打ち体験交流会

視能訓練士の延原です。

先日、浅口そば打ち倶楽部鴨方の方にご指導いただき、視覚障害者のそば打ち体験交流会を開催しました。

そば打ちは皆さん初めての体験です。見えにくくても、そば粉をこねて、伸ばし、そして切る作業を皆さんとても上手にされていました。指導者の方は、お一人お一人の見え方や体の状態に合わせて丁寧にご指導くださいました。各そば打ち台で笑顔があふれ、とても楽しくそば打ち体験ができました。

その後、大きな釜でそばを茹で絶妙なチームワークで盛り付けまで行いました。今回のそば粉は北海道の新そばで、本当に美味しいお蕎麦いただくことができました。

そば打ち体験の後は、地域生活支援事業所みちしるべの生活訓練専門員 岸本さんから白杖のミニ講座を開催してもらいました。白杖の基本的な使い方を教えていただき、とても勉強になりました。

見えにくくても出来ることは、たくさんあります。また、皆さんと集まって楽しい時間を過ごせたらと思います。




地域ケア会議

視能訓練士の延原です。先日、浅口市 鴨方圏域地域ケア会議に参加してきました。昨年は、コロナ流行のため中止となったので、今年が初参加です。

地域ケア会議は、高齢者個人に対する支援の充実と、それを支える社会基盤の整備とを同時に進めていく、地域包括ケアシステムの実現に向けた手法です。

浅口市は、地域ケア会議を9年継続して開催されているそうです。全国的にも継続できている市町村は少ないそうなので、浅口市はすばらしいです。視能訓練士が地域ケア会議に参加しているのは全国的にもまれで、地域に根差した視能訓練士を目指す私達にとってはとても大切な会議です。

会議には、様々職種、地域の方が参加されています。医師、歯科医、薬剤師、ケアマネージャー、消防士、警察官、郵便局員、銀行員、生活支援コーディネーター、民生委員、保健師、社会福祉士、商工会職員、手話サークルスタッフ、生活相談員、生活支援サポーター、老人クラブ会長、市民後見人など、本当にいろんな方が参加されています。今回は、「認知症になっても一人になっても、住み慣れた家で安心してくらせるよう、みんなで見守る地域にするために」というテーマでグループに分かれて情報交換をし、最後に各グループのまとめの発表がありました。とても有意義な会議で、私自身とても刺激を受けました。

これからも、地域に根差した視能訓練士になれるよう更に学びを重ねていきたいと思います。

BLUE SEED PROJECT

視能訓練士の延原です。

この度、使い捨てコンタクトレンズの空ケース(ブリスター)を回収し、資源としてリサイクルするプロジェクトに当院も参加することになりました。

このプロジェクトの社会背景には、世界のプラスチック消費が増加し、海洋環境において大きな問題になっていることがあります。回収されたブリスターは、需要が高まっている物流のプラスチックパレットに生まれ変わります。パレットは破損しても再度パレットにリサイクルされ、資源の無駄を省く循環型システムです。

ブリスターはどのメーカーの物でも回収可能です。このプロジェクトにご興味がある方は、田中眼科にブリスターをお持ち込みください。

高齢者の見え方の話

視能訓練士の延原です。先日、浅口で医療・介護について勉強する会で、高齢者の見え方の話をさせていただく機会がありました。

第一部は、「どれだけ知ってますか?高齢者の目の病気」と題して、院長が白内障、緑内障、加齢性黄斑変性症について講演しました。第二部は、私が「高齢社会における見え方の大切さ ~アイフレイル対策~ 」と題して、最近話題になっている疫学調査結果を踏まえた、現場で活かせるアイフレイル対策の提案について講演しました。

「アイフレイル」皆さんご存じですか? アイフレイルとは、加齢による目の機能低下やそのリスクが高い状態のことです。アイフレイルは、自立機能低下や日常生活制限を招くだけでなく、健康寿命を短縮させます。見えにくさや不快感を“歳のせい”にせず、眼科を受診してみましょう。

令和4年度の3歳児健診がはじまりました!

視能訓練士の延原です。

先日から令和4年度の3歳児健診が始まりました。今年度は田中眼科の視能訓練士が浅口市、里庄町、矢掛町の3歳児健診の視覚検査を担当します。浅口市と里庄町では、今年度から受診者全員に屈折検査を実施します。屈折検査というのは、近視・遠視・乱視の度数を計測する検査です。今までは、お家での検査ができなかったお子さんや希望するお子さんのみに実施していました。しかし、全員に屈折検査を実施することで今まで見逃されていた多くの弱視が発見できることになりました。

昨年から、全員にスムーズに屈折検査を実施するために、保健師さん達と話し合いを重ね準備をしてきました。当日はとてもスムーズに屈折検査を実施することができ、3名のお子さんの遠視や乱視を検出することができ医療機関に紹介することができました。

昨年7月に日本眼科医会、日本視能訓練士協会の3歳児健診における視覚検査マニュアルが改定されました。医療機器製造技術の発達でハンディータイプの屈折検査機器が生産され、弱視の主な原因となる屈折異常や斜視のスクリーニングが幼児への負担なく短時間で簡便に実施できるようになりました。そのため、3歳児健診における屈折検査の導入は不可欠です。

しかし、注意すべきは屈折検査機器では、視力そのものを評価することができない点です。屈折検査のみでは他の原因による視覚異常の検出ができません。視覚異常を検出する最も重要な検査は視力検査で、屈折検査導入により視力検査を廃止することは考えてはいけません。

幼児の視覚検査は、限られた時間内でより正確に、かつ飽きさせずに行うことが必要とされ、小児の検査に精通してる視能訓練士が積極的に参加する必要があります。しかしながら視能訓練士が健診に関わっている自治体は一部に限られているのが現状です。岡山県も私達が参加している3市町村以外に視能訓練士が参加しているのは2市町村だけです。

人生100年時代。より良い視機能を保っていくためにも、視覚の発達を阻害する因子を早い段階で見つけることは私達視能訓練士の使命の一つです。多くの視能訓練士が視機能管理の専門職として、その知識や検査技術を母子保健事業で活かし貢献することができればいいなと思います。