こどもの治療用眼鏡について

視能訓練士の延原です。先日、浅口市の未来保育課の公立・私立園長連絡会で「こどもの治療用眼鏡について」と題して講演をさせていただきました。

子どもの視覚の発達は生まれてから急激に発達していき、1歳6か月が発達のピークです。その後8歳頃に視覚の発達は完成します。この大切な視覚の感受性期に適切な刺激が与えられないと、視覚の成長は阻害されます。この状態が弱視です。

弱視の原因はいろいろとあります。遠視や近視、乱視が原因の弱視は、度のあった眼鏡を装用することで網膜を刺激し、視力の発達を促し弱視治療を行います。眼鏡を装用することが治療なのです。この治療は視覚の感受性期に行うことが大切です。

視覚の感受性期に多くの時間を過ごす、保育園・幼稚園・こども園での弱視治療は、園の先生方のご協力なくしては行えません。今日の講演が、こども達が将来にわたり良い視機能を維持できるよう、保護者や園、眼科医療が連携して治療できる体制の礎になれたらなと思います。

アイフレイル啓発活動

視能訓練士の延原です。

先日、寄島老人福祉センターで毎月開催されている「カフェ・アッケシ」でアイフレイルの啓発活動を行いました。

皆さんにアイフレイルチェックシートを用いて、加齢による目の機能低下を自己点検していただきました。

そして、40歳を過ぎたら気を付けてほしい目の病気についても知っていただき、眼科健診の重要性をお伝えしました。次回は、来年2月にアイフレイルのお話をさせていただく予定です。

アイフレイルサポート視能訓練士

視能訓練士の延原です。この度、視機能のスペシャリストとしてアイフレイル対策活動をサポートする“アイフレイルサポート視能訓練士”に登録されました。

アイフレイルとは、加齢による目の機能低下です。加齢とともに、眼球は構造的にも機能的にも衰えてきます。その状態に何らかのストレスが加わると視機能の障害がでてきます。

40歳を過ぎたら、一度は眼科医による目の検査を受けましょう。そして、見えにくさや不快感を感じたら、眼科を受診しましょう。目の健康を振り返り、これからも快適な見え方を維持することで、目の健康寿命を延ばしましょう!

気になることがあれば、アイフレイルサポート視能訓練士にお気軽にご相談ください。

アイ・アイサポート浅口

視能訓練士の延原です。この度、任意のボランティア団体「アイ・アイサポート浅口」を立ち上げました。

見えにくくても、住み慣れた浅口市でその人らしく生活できることを目標に、地域の課題に向き合い改善できるような活動を行っていきたいと考えています。まずは、一番の課題である外出支援ができるようにガイドボランティアの養成を行いたいと考えています。視覚障害者は障害福祉サービスとして外出時に同行援護というサービスを受けることができますが、浅口市にはそのサービスを提供できる事業所がありません。

当事者の方ともヒアリングを重ね、様々な課題の改善に取り組んでいきます。

low vision交流会

視能訓練士の延原です。11月28日(日)にレティッサとオーカムマイアイ2の体験会と第2回ブラインドメイク説明会を開催しました。

レティッサとは、超小型プロジェクターで網膜に直接映像を投影する器械です。視力やピントに依存せず映像を視認することが可能です。株式会社シード 岡山営業所の河岡氏から簡単な説明をしていただき、実際に参加者の皆さんと体験しました。お一人お一人の視機能にもよりますが、比較的視野が広い方でデジタルデバイスの使用になれておられる方は、映像に臨場感があり好評のようでした。

オーカムマイアイ2は、小型カメラがとらえた文章を耳元のスピーカーから音声で聞くことができる画期的なAI視覚支援デバイスです。知りたいものを指さしたり、簡単な手のジェスチャーを認識してくれます。小型カメラは百円ライターぐらいの大きさでお使いのメガネフレームにも取り付け可能です。この製品は、本当にすごくて、縦書きも横書きの文字もしっかりと読み上げてくれます。読みたいものを提示する位置は練習が必要のようですが、こちらも大変好評でした。ただ、高齢者には読み上げスピードが速く感じられたり、抑揚がないのが聞き取りにくいという意見が聞かれました。また、読み上げる声が女性の声の方が良いとの意見もありました。

ブラインドメイクの説明では、冬のお肌の乾燥についてご指導していただきました。女性だけでなく、男性も髭剃り後などのスキンケアの大切さをお伝えいただきました。

コロナ禍ですが、開催時期や感染対策に留意しながら、皆さんと新しい製品を体験したり、お肌のお手入れのお話しを聞く機会をつくることができました。これからも、地域密着型の眼科として、皆さんがより良く、明るい気持ちで生活できるようなお手伝いができたらなと思います。

レティッサ体験の様子
オーカムマイアイ2体験の様子
ブラインドメイク説明の様子

BLUE SEED PROJECT

視能訓練士の延原です。

この度、使い捨てコンタクトレンズの空ケース(ブリスター)を回収し、資源としてリサイクルするプロジェクトに当院も参加することになりました。

このプロジェクトの社会背景には、世界のプラスチック消費が増加し、海洋環境において大きな問題になっていることがあります。回収されたブリスターは、需要が高まっている物流のプラスチックパレットに生まれ変わります。パレットは破損しても再度パレットにリサイクルされ、資源の無駄を省く循環型システムです。

ブリスターはどのメーカーの物でも回収可能です。このプロジェクトにご興味がある方は、田中眼科にブリスターをお持ち込みください。

3歳児健診で屈折検査を!

視能訓練士の延原です。10月9日の山陽新聞に3歳児健診での屈折検査の導入促進の記事が掲載されていました。

人の視機能は3歳頃までに急速に発達して6~8歳頃に完成し、生涯の視力がきまります。3歳児健診は、視力の発達の遅れ(弱視)や眼疾患を早期に発見して治療につなげるための重要な機会となります。

3歳児健診の視覚検査は一次検査として家庭での視力検査と目に関するアンケートが行われます。しかし、家庭での検査は、子どもの集中力が続かなかったり、視力検査の理解が難しかったり、覗き見をしていたりすることもあります。正確に検査できていなくても“家庭で見えていた”となると、3歳児健診での二次健診は行われず、弱視の発見が遅れることになります。

そこで、これまでのやり方ではどうしても弱視を見落とす割合が高いので、日本眼科医会が今年7月に公表した「3歳児健診における視覚検査マニュアル」では、子ども全員に屈折検査を受けてもらい、次いで問診票の確認、視力検査結果の確認などを経た上での二次健診が紹介されています。

私達も、3歳児健診で屈折検査は既に導入していたのですが、子ども全員には行えていませんでした。「弱視見逃しゼロ」を目指して、来年度予定している近隣3市町村の3歳児健診では子ども全員に屈折検査が実施できるよう調整をすすめています。

弱視の子どもは50人に1人。3歳児健診で発見すれば、早期治療で改善します。お子さんの見え方で気になることがあれば、お気軽に田中眼科にご相談ください。

“STOP! 弱視見逃し” URL:https://youtu.be/ju-0ZrskOjQ

3歳児健診

視能訓練士の延原です。今年度から浅口市と矢掛町の3歳児健診の視覚検査を担当することになりました。浅口市の3歳児健診はコロナの影響で日程変更等がありましたが、様々な対策を講じて安全に実施されています。

器具の消毒や換気はもちろん、密にならないように受付時間を分散させたり、問診部屋にはアクリルパネルの設置、待合の椅子も間隔を空けて帰るまで同じ椅子に座ってもらうような対策がとられています。

3歳児健診の視覚検査は、斜視と不同視(屈折の左右差)、高度の屈折異常(遠視や乱視)の検出、これらに伴って生じる弱視の早期発見のために行われます。 検査は、屈折検査、視力検査、両眼視機能検査、眼位検査、眼球運動検査を行います。お子さん達が怖がらず楽しく検査ができるようにアンパンマンの視標を用いたり様々な工夫をしています。

視覚の発達にはタイムリミットがあります。視覚が発達する視覚感受性期は6~8歳ぐらいで消失すると言われています。そのため、3歳児健診でいかに視覚の異常をみつけるかがとても重要です。 お子さんの見え方に少しでも不安があれば、3歳児健診での視覚検査を必ず受けてくださいね。

待合
問診の部屋
視能訓練士もエプロン姿です!

2020年 ~新年にあたり~

視能訓練士の延原です。新年 明けましておめでとうございます。

今年も、地域密着型の眼科医院として新しい取り組みをいろいろと計画しています。学ぶことを忘れず、スタッフ一人一人が成長できる年になればと思っています。

2020年もどうぞよろしくお願い致します。

【ピア交流会】みんなで、助六寿司!

視能訓練士の延原です。11月29日に、田中眼科に通院されている視覚障害の患者さんのピア交流会を開催しました。昨年に続き、元板前の患者さんによる料理教室「みんなで、助六寿司!」。

今回は、視覚障害者の支援に熱心に取り組んでおられる金光図書館のスタッフの方と浅口市の音訳ボ

ランティア はるか会の方とのコラボで、とても賑やかな会になりました。

見えにくさは人それぞれですが、皆さんとても器用に料理をされていました。お米を3升炊き、巻き寿司を20本、いなり寿司を60個作りました。地元寄島の脂ののったチヌのお吸い物も絶品で、とても美味しかったです。

視覚障害は外見からは分からないので、患者さん同士で見えにくさをお互いにお伝えしたりする場面もありました。自分の見え方を説明できるのも大切なことなんです。

金光図書館の方やはるか会の方からもとても有益な情報提供があり、参加者の皆さんもとても勉強になったようでした。いろいろなサービスや有益な情報があっても知らなければ利用することができません。今後もどんどん、いろいろな方と有機的な連携と情報発信ができるような取り組みを田中眼科で行っていきますね。

次回は、患者さんからリクエストがあった「防災飯」の交流会を開催する予定です。今年岡山県であった豪雨災害を教訓に、見えにくい方の避難をどうするか、避難所ではどうするか、自宅でできることは何か、そんなテーマで皆さんと学びたいと思います。「飯」がつく会なので、もちろん食事つきです。どんな美味しい防災飯ができるのか、今からとても楽しみです。