スタッフブログ

当院スタッフのブログです。

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3歳児健診で屈折検査を!

視能訓練士の延原です。10月9日の山陽新聞に3歳児健診での屈折検査の導入促進の記事が掲載されていました。

人の視機能は3歳頃までに急速に発達して6~8歳頃に完成し、生涯の視力がきまります。3歳児健診は、視力の発達の遅れ(弱視)や眼疾患を早期に発見して治療につなげるための重要な機会となります。

3歳児健診の視覚検査は一次検査として家庭での視力検査と目に関するアンケートが行われます。しかし、家庭での検査は、子どもの集中力が続かなかったり、視力検査の理解が難しかったり、覗き見をしていたりすることもあります。正確に検査できていなくても“家庭で見えていた”となると、3歳児健診での二次健診は行われず、弱視の発見が遅れることになります。

そこで、これまでのやり方ではどうしても弱視を見落とす割合が高いので、日本眼科医会が今年7月に公表した「3歳児健診における視覚検査マニュアル」では、子ども全員に屈折検査を受けてもらい、次いで問診票の確認、視力検査結果の確認などを経た上での二次健診が紹介されています。

私達も、3歳児健診で屈折検査は既に導入していたのですが、子ども全員には行えていませんでした。「弱視見逃しゼロ」を目指して、来年度予定している近隣3市町村の3歳児健診では子ども全員に屈折検査が実施できるよう調整をすすめています。

弱視の子どもは50人に1人。3歳児健診で発見すれば、早期治療で改善します。お子さんの見え方で気になることがあれば、お気軽に田中眼科にご相談ください。

“STOP! 弱視見逃し” URL:https://youtu.be/ju-0ZrskOjQ

ブラインドメイク説明会

視能訓練士の延原です。8月1日(日)に予定通り視能訓練士・化粧訓練士の林泰子氏をお招きしてブラインドメイク説明会を行いました。4名の患者さんとご家族、音訳ボランティアはるか会の会員2名の方が参加されました。

ブラインドメイクは、視覚障害者のQOL向上に化粧が役立つことに着目した化粧療法で、鏡を見なくても指を使ってフルメイクできる化粧技法です。美容福祉学の研究者である大石華法氏によって2010年に考案されたそうです。

実際に化粧訓練士が行うことは、化粧の指導だけではなく、化粧品の選定のサポート、化粧容器の詰め替えなどのサポートもあります。また、洗顔や化粧水、乳液といった皮膚を健やかに保ち肌自体を整える基礎化粧についての指導も行ってくれます。

今回の説明会では、ブラインドメイクの概要の説明に加えて、実際に皆さんで眉をかく練習をしました。利き手の小指の腹に眉墨をつけ、両手を膨らませるように合わせ両手の小指同士をこすり合わせて眉墨を馴染ませます。その後、両手親指をこめかみにあて、眉墨がついた小指を眉頭からゆっくり小刻みに動かして眉をかきます。皆さん鏡を見なくても左右均等に眉をかくことができました。マスク生活において、眉をかくだけでも随分と印象が変わります。気分もあがります! 練習を重ねれば、口紅はもちろん、ビューラーを使ってマスカラをつけたり、アイシャドウやチークも使うことができます。

今後、当院ではブラインドメイクのレッスンを完全予約制で行うことができます。県内で実施できる施設は限られますので、ご興味がある方は田中眼科までご連絡ください。

訪問診療の見学に来られました

視能訓練士の延原です。先日、私の恩師である視能訓練士の深井小久子先生が当院の訪問診療の見学に来られました。

高齢社会になり、私達視能訓練士の仕事もパラダイムシフトしていかなければなりません。当院での取り組みを深井先生も応援してくださっていて、私達もとても励みになりました。個人眼科が果たす役割りが大きくなってきたこと、私達視能訓練士も地域で活躍していかなければならないことを改めてご教授いただきました。

私達を取り巻く状況の変化にどのように対応していくか、視能訓練士の専門性を高めつつ地域の皆さんの目の健康の向上のお役にたてればと思っています。

ブラインドメイクで人生に彩を!

視能訓練士の延原です。ブラインドメイクという言葉、皆さん聞かれたことがありますか? ブラインドメイクとは、鏡を見なくても指を使ってフルメイクができる化粧技法のことです。見えにくくても、全盲でも訓練をすればお化粧ができるのです! 私も実際にブラインドメイクの実演を初めて見た時は、本当に感動しました。浅口でもこのすばらしい化粧技法をお伝えしたいと思い、この度ブラインドメイクの説明会を実施します。

当事者の方はもちろん、ご家族やご興味がある方、誰でも参加可能です。

参加申し込みは、お電話で。☎0865-44-2261

防災ベスト・防災リュック

視能訓練士の延原です。4月1日から、浅口市では防災ベストと防災リュックが日常生活用具給付事業の対象になりました。日常生活用具等の給付は、障害のある人に日常生活の便宜を図り、その福祉の増進に資することを目的としています。県内はもとより、全国的にみても防災ベストと防災リュックが日常生活用具の給付対象になっているところは限られており、とても先駆的な取り組みです。

当院で定期的に行っているピア交流会で、浅口市の社会福祉課の課長さんが視覚障害者の皆さんお一人お一人にヒアリングをしてくださったのも今回の給付事業の一つのきっかけになったそうです。

西日本豪雨災害の時、真備地区の犠牲者51名のうち42人が要支援者だったそうです。また、避難所では大勢の人でごった返すので防災ベストの着用が推奨されています。視覚障害は見た目には分からないので、被災した際は周囲の人に見えにくいことに気付いてもらう必要があります。

当院に通院されている視覚障害の方も既に数名の方が防災ベストと防災リュックを申請されています。 西日本豪雨災害からもうすぐ3年、東日本大震災から10年、今一度防災について考える機会にもなりました。皆さんもこの先駆的な取り組みをご周知ください!